vol.1107 「初々しい店長時代の思い出」~本気でお詫びする姿勢
さざん亭マネージャー 有吉 好人
花一輪ベストセレクションのクレーム等の話を読むと、20代の後半、店長に初めてなったばかりの頃のクレーム経験を思い出します。
今は無き某ファミリーレストランのオープン。アルバイトのH君が「店長!クレームです。お客様が店長を呼んで来いとお怒りです。」オープンでもあり、超が付くほど忙しい中です。厨房で料理を作っていた私はクレームを起こした事よりも、“忙しい中、なんでや~”みたいな気持ちでいました。
お客様にお詫びに伺うと「店長か!見てみぃ!」そこにはサラダの中を動く青虫がいました。私よりも若い、作業着姿のイカツイお兄ちゃんです。「申し訳ありません。」ありきたりのお詫びだけしか出てきませんでした。正直、ずっと料理畑の人間であり、お客様への対応もよく分かりませんでした。しかも忙しい時だったので、料理が詰まる事のほうが気にかかっていた私でした。大切なお客様という思いと、クレームに対して本気で謝る姿勢が抜けていたのです。
「土下座しろ!」今では裁判沙汰ですが・・・。お客様の言葉に“カチン!”ときましたが、“今の状況では仕方ない”腹の中でグッと堪えて土下座をしました。「俺が許すまで土下座しとけ!」謝罪しながらも、内心は“くそったれ!”の気持ちでいっぱいになりました。
どれだけ頭を下げていたでしょう?大勢のお客様の中、恥ずかしいやら?情けないやら?訳の解らない気持ちになりました。20分位経った頃だと思います。私の中に“これは本気で謝らないと終わりは無いな”という気持ちが現れました。それからは本気で謝罪をしました。一生懸命にお客様のお許しをいただこうと謝りました。
すると「店長解った。もう良いよ。」とやっとお許しがもらえたのです。「店長ごめんな。俺も彼女の誕生日で来たのに、彼女の料理に青虫が動きよるんやけ~な!頭にきたんよ。」 店長になって何もわからない私に、一番最初にお客様に教えてもらった本気でお詫びする姿勢でした。
その後私がその店を去るまで、お兄ちゃんは毎週来てくれる常連様になりました。来られて私を見つけると、いつも思いっきり車から手を振るヤンキー兄ちゃん。ちょっと私の方が恥ずかしい気持ちになりました。
クレームから常連様に変わった、私の初々しい店長時代の思い出でした。
2014.4.23
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vol.1106 「お客様一人一人を大切に」
vol.1106 「お客様一人一人を大切に」
さざん亭徳山店 原田 幸恵・竹内 豊
ある一組の御夫婦との出来事です。
いつもの様に竹内君が御案内、私がお茶出しをした時、旦那様が私たちに「いつも御案内は彼で、お茶出しはキミがしてくれるんだよね~♪」と声をかけてこられました。その時私は、お客様の事が全く分からずに「そうでしたかぁ~?」としか言葉が上手く出ず、“竹内君なら知っているかな?”と思い訪ねてみたら、「僕もあのお客様の事は覚えてないんですよ・・・すみません・・・。」と言われ、二人で何か思い出せないだろうかと頭をフル回転させましたが、結局その時は思い出す事が出来ませんでした。
1ヵ月が経ち、そのお客様が日曜日のお昼に御来店されているのを竹内君が見つけて、私はすぐにお茶を持って行かせてもらいました。旦那様が「日本に帰って来たから、ここに来たよ。」と笑顔でおっしゃられ、私も「はい、ありがとうございます。お待ちしておりました。」と笑顔で応える事が出来ました。
お客様がお帰りの際、「この前、僕はあなた達に何か物をあげたかなぁ~?」と聞かれたので、私は何の事か分かりませんでしたが「いいえ、何も・・・。」と答えたら、「ちょっと待ってて。」と言って慌てて車に行かれました。戻って来られ「仕事でアメリカに行った時のお土産だよ。明日からはまたロスに行くんだ。今度はもっと良い物を買って、また来月に来るよ。」と私と竹内君にお土産を下さいました。私たちは直ぐにお礼を言い、お名前も伺い、車が見えなくなる最後の最後までお見送りをし、とても感謝の気持ちでいっぱいになりました。
日々の接客の中で、作業になりつつ気持ちが籠っていなかった為、今回の事(顔も覚えていない、名前も知らない)が起こってしまった事を反省し、お客様一人一人をもっと大切にしながら、これからは顔晴っていきたいです。
PS:お客様のお名前はT様です。もう覚えました。
2014.4.11
vol.1105 「紙飛行機」~笑顔が飛んできた
vol.1105 「紙飛行機」~笑顔が飛んできた
さざん亭徳山店 竹内 豊
今回の花一輪は、さざん亭徳山店の副長、山本美子さんの事です。
日曜日のディナータイムのピークが過ぎ少し落ち着いてきた頃、テーブルに座っておられた団体のお子様が泣き出しました。なぜ泣いているのかも分からず、よくある事なので、私は声をかけることもなく見過ごしていました。
ふと山本副長を見ると、紙で何かを折っていたので“メモ用紙でも作っているのかなぁ”と思っていました。泣いているお子様のお母さんが、周りを気にされたのか、お子様を外に連れて行かれました。山本副長も何かを持って、その親子の後を付いて行きました。
数分後、泣いていたお子様が満面の笑みで、手に紙飛行機を持って、席へ帰って来ました。山本副長はメモ用紙ではなく、お子様にあげる紙飛行機を作っていたのです。お帰りの際、お子様はもちろんご家族も笑顔で帰って行かれました。
山本副長がされた行動はマニュアルにはないことだし、教わることもない行動だと思います。私はどうして泣いているかも分からないし“何かしても泣き止まないだろう。”と、勝手に自分の中で解釈して行動できませんでした。しかし何事も行動しないと始まらないと思うので、これからは山本副長を見習って、積極的に行動していきます。それがより良い接客に繋がっていくと思います。
2013.10.10
vol.1104 「思いやりの心」~漁師の方のお手伝い
vol.1104 「思いやりの心」~漁師の方のお手伝い
藤麻水産 福永 浩嗣
藤麻水産は目の前が港になっているので、毎日地元の漁師さんが漁に出て行くのを目にします。お昼前になると皆でどの漁師さんが出たので明日は○○の魚があるなど、雑談しながら情報交換をします。
先日、地元のYさんという漁師の方が漁に出られたのを確認した三浦誠さんは、翌日の出荷量が気になり、帰り際に船まで様子を見に行きました。Yさんが建て網(3m×150m)の掃除をされていたのを見て、経験のある三浦さんはそのお手伝いをしながら、当日の釣果や海の様子を聞いたそうです。Yさんは数年前までは毎日のように沢山の鯛を出荷されていましたが、最近では高齢と体調不良のため、あまり漁に出られなくなりました。その日も思うように魚が獲れずにいたようです。
翌日Yさんが魚を出荷され「昨日は三浦君が網の掃除を手伝ってくれて早く終わったから、もう一回魚を獲りに行って来たよ!」と嬉しそうにリベンジされた事を話されました。おかげで荷も増えました。
建て網の掃除は高齢の漁師の方にとっては大変な作業です。些細なお手伝いでしたが、三浦さんの行動は売上貢献にもつながり『お・も・い・や・り』(オリンピック招致のプレゼンとちょっと違いますが・・・)の行動だったと思います。
漁師の方や仲買人の方との信頼が大切な市場です。私も初心に戻り、仲買人の方や漁師の方とのふれあいを大切にし、一つの大きな家族のような市場にしていきたいと思います。
2013.9.14
vol.1103 「ほっとする接客」~積極的にフレンドリー
vol.1103 「ほっとする接客」~積極的にフレンドリー
さざん亭徳山店 山本 美子
最近お気に入りのガソリンスタンドがあります。そこへ行くきっかけは、車のスノータイヤの置き場所に困っていて、ダメもとで頼んでみたら「いいですよー。お姉さんの頼みなら仕方ない。置いてあげるよ。」と言ってくれた事でした。
年配のご夫婦と息子さん?三人でやっているガソリンスタンドですが、ガソリンスタンドの接客は、私の中のイメージでは『元気がいい』というだけの印象でした。しかしそこのガソリンスタンドでは、お客さん方がガソリンを注ぐとき、わざわざ車から降りて何か一言必ず会話をしています。もちろん私がガソリンを注ぐ時も、8月はハチの糞が車に沢山つき、それを毎回頑張ってとって下さるので、ハチの話題から始まりました。
ガソリンスタンドの接客は数分の時間ですが、お客様の心を掴んでいるのは、日々の一言の会話の積み重ねと、温かく感じられる接客だと思います。ガソリンを入れない時でも、私の車が通るのに気付くと一礼してくれます。
セルフスタンドが主だった私が、ガソリンがなくなると「あのガソリンスタンドに行きたいな」と思うようになりました。私も接客が大好きです。このガソリンスタンドのように「また行きたいな」「ここに来るとほっとするな」と思ってもらえるようなさざん亭徳山店になるよう、日々のお客様との会話を大切に、温かいおもてなしができるよう努力します。
vol.1102 「二言挨拶」
vol.1102 「二言挨拶」
仕出し周南店 福田 雅貴
先日、早朝のジョギングでのことです。小雨日和で少し止めようかと躊躇したのですが・・・案の定、途中土砂降りでビショ、ビショ。そんな中、6㎞コースの中ほどでカッパを着込んだおばちゃまが道路脇の草を掃除されていました。
何時もの『二言挨拶』をしたところ、「傘を持って来ましょう。」と言われました。顔を見ると、以前、田舎にフジマに勤めている人が引っ越してきたことを知り、4㎞程の道のりを自転車で訪ねて来られたNさんでした(70歳位)。そして法要料理の注文を頂き、備品、お茶の手配等をお手伝いさせて頂きました。
Nさんから「皆さん喜んで頂きました。知り合いにも紹介しますよ。その節はお世話になりました。」「家に寄って是非お茶を飲んでください。」と温かいお言葉を頂戴しました。(ズブ濡れなのでお断りをしました。)
「私がフジマで働いていなかったらこんな素敵な出会いは無かったなぁ。」仕事を通じて人とのふれあい、信頼が生まれ、認められ、地域に密着し本当に素晴らしい。自分の仕事が誇らしく思われました。
私が 常に意識して行っている『二言挨拶』は、人間関係を築く為に役立つと、今週の倫理を拝読し改めて感じました。さざん柳井店の岡本さんは『自分やる目標』にし実践されていますよ。継続してくださいね!体はズブ濡れで違和感。でも心は晴れて快調で走り続けられ、爽やかな一日でした。
2013.9.8
vol.1101 「ドライブスルー撃退法」
vol.1101 「ドライブスルー撃退法」
さざん亭柳井店 岡本 裕子
さざん亭柳井店のウェイティングルームは狭いです。6人家族が2組いるだけで多く見えて、車の中から人にあふれた様子を見て、名前も書かず、違う意味のドライブスルーをされて帰って行かれるお客様がいらっしゃいます。
もうすぐお席が空くのにもったいない!
私はご案内の時、状況を見定めて、動ける場合は帰ろうとしているお客様を車まで追いかけて話しかけます。何組待っているのか説明し、お席の状況、どれくらいで空くのか説明すると「あんまり待たないなら名前書きます。」と言ってくださって、駐車場に戻っていただけます。
ある時、お盆に車が1台すぐ出ようとされたので、私は走って追いかけました。窓をのぞくと常連様でした。今はお待ちになっているお客様は2組しかなく、席がまもなく空いてすぐご案内できることを説明すると、「じゃあ 名前書くわ!」と言ってくださいました。お帰りの際に「今日は呼び止めてくれてありがとう。急いでいたから助かったわ。」と言ってくださいました。
別の日にも車が帰られようとされていました。それに気づいて窓越しに「そんなに待たないですよ。」と席の状況を説明すると、お客様が「あんたがそこまで言うなら名前書いて待つワ!」と大阪弁で言ってニコッと笑い戻って名前を書いてくださいました。とても嬉しかったです。
せっかく来ていただいたお客様がドライブスルーしないよう、積極的にフレンドリーに応対していきます。
2013.9.6
vol.1100 「お客様からの一文 『おいしかったです。ご馳走様でした』」
vol.1100 「お客様からの一文『おいしかったです。ご馳走様でした』」
のん太鮨下松店 手嶋 洋介
8月16日の夜。急な洗い場のパートさんの欠勤により洗い物が大量に山積みとなり、洗い場のシンクはおろか通路にまで洗い物があふれていました。19時過ぎにようやくお持ち帰りの寿司を握り終えた私が、洗い場にヘルプに入りました。
今年の盆は非常に長く、16日も午前中から休憩も一切取らずに、お持ち帰り寿司を握ったその直後に洗い場ということで、かなり疲労を覚えていましたが、ふとあるバッシングボックスの中に、丁寧に折りたたまれた割り箸の外装袋がゴミの中に紛れ込んでいました。
『美味しかったです。ご馳走様でした』
丁寧に書かれた一文。思わず――「見て、見て。これ!」と、厨房にいたパートさんに見せて回ってしまいました。21時という疲れが一番出てくる時間帯に、このお客様のほんの少しの感謝の一文に皆の疲れが吹っ飛んだように感じました。
2013.9.4
vol.1099 「永年勤続の先輩に感謝」~社内大会は感謝のセレモニー
vol.1099 「永年勤続の先輩に感謝」~社内大会は感謝のセレモニー
ベルゼ 長谷川 裕子
間もなく一年に一度皆さんに会える社内大会が開催されます。
そんな中、各店でも永年勤続表彰を受けられる方が居られると思います。ベルゼも5名が今年の表彰対象です。 間近になると表彰文作成の為、本人が不在の時に川嵜副支配人が皆からのコメントを聞いて文章を作り「これは言いすぎ。」「いやこれも足しましょう。」と楽しく騒いでいます。
そんな時に思った花一輪は、私の大先輩たち3名の事です。私はフジマに勤めて9年になります。(来年の10年目もちゃんと勤務していると思います。)平岡さん、益岡さん、吉村さんの3名には、色々と教えて頂きました。食器の出し入れ、盛付けの仕方、切り方等々、細かな事を丁寧に教えて頂きここまで成長出来たと思います。悩みがあって困っている時は、親身になって相談にのってくださる先輩方で、ワガママな私のフォローをして下さいます。
ベテランの先輩たち3名に感謝の気持ちで一杯です。
これからもよろしくお願いします。
2013.9.3
vol.1097 「周りに人が集い、笑顔がある訳」
vol.1097 「周りに人が集い、笑顔がある訳」
のん太鮨マネージャー 清水 猛之
あるランチタイムも落ち着いたのん太鮨防府店の平日の午後、一緒にネタ打ちをしていた吉森君に「先に飯食って来い。」と伝え昼食に行かせました。
「ちょっと出てきます。」と財布と車のキーを持ち珍しく出て行きました。いつもは二階の休憩室で弁当食べるのにな?と思いましたが深くは考えませんでした。 休憩時間も終わりの頃、「お先に頂きました。」と言って、汗だくで帰って来ました。
「マネージャー、今、動物病院に行ってきたんです。」
「なんで?」
「朝、廃油缶の所にすずめが居たんです。缶のまわりに油がこびり付いていて、それに引っ付いたんでしょうね。動けない状態でした。羽はもちろんの事、もう皮膚まで痛んでいる状態でした。」
「そうやったん。」
「それで獣医の先生に、もう治らないから可愛そうだけど安楽死させてあげようって言われ、仕方がないからお願いしました。ビニール袋に入れ麻酔をかけました。」
「そうか~仕方なかったんやね。」
「で、なるべく近くに埋めてあげてって言われたんで、裏の空き地にさっき埋めてきました。」
「偉いね。でも結構お金かかったろう?」
「いえ、その先生は寛大な方で取られませんでした。」
「へぇ~凄いねその先生!」(ちなみに防府店の近くのS動物病院です)
「はい。僕もびっくりしました。」
当り前の事なんでしょうが、ただすずめの命を大切に一生懸命考えた吉森君の行動に私は感動してしまいました。自分の事ばかり優先していたら病院までは行かないと思いました。
彼の周りには人が集い、笑顔があります。人の細かなトコロも見逃さない彼の気持ちがその理由なのかも知れません。今回の事で身近な命の大切さ、周りへの気配りや愛情の大切さを改めて教えられました。吉森君ありがとう!
PS:廃油缶の回りきれいにしといてね!
2013.8.11