vol.1129 お客様からいただいた仕事の励み
のん太鮨下松店 石田 純司
11月11日ポッキーの日の出来事です。ディナーに、常連のK様がご来店。普段はランチの終わりかけの頃にご夫婦でご来店される、メガネをかけ髭をはやし、とっても特徴のある笑顔が可愛いおじい様です。
その前日もK様はご来店され「店長によろしく!」と言われて帰られたと、日報に記載してあるのを確認していたので、すぐに私は「昨日もご来店されたようで、今日もありがとうございます。」と話をすると、ビックリされて「そうそう、店長に渡したいものがあって…」と言われ、紙袋にいっぱい入った柏餅をプレゼントされました。私は「えっ、どうしたんですか?私にですか?」とキョトンとしてしまいました。「店長には心配をかけたからね。お礼に…。」“ん~!自分は何もK様にしてあげてないのに、なんでだろう?”とちょっと不思議に思いました。
K様との出会いは、そう「中トロ鉄火」での会話です。中トロ鉄火は人気商品で、無い日もあります。売り切れになるのも早い。このことがきっかけで、話をすることになったのです。初めて出会った日「中トロ鉄火は今日はご用意できないんですよ。すみません。」「そうなんだ。残念だな~。」と、その会話から色々と話が広がりました。また次にご来店された時は「今日はありますよ。」と私から声をかけたので、また会話も弾みました。
ある朝、藤井君と握り場で「最近そう言えばK様がご来店されないね。」と二人で話をしていたら、ランチタイムに藤井君が「店長、店長~!」と私を呼ぶので、どうしたんだろうと思いながら振り向くと、ちょっとやつれたK様がレジ前に立っておられました。話を聞くと病気で入院されていたとの事。「どうしたんだろうと心配していたんですよ。」と話しました。病院の先生から塩分取り過ぎで食事制限をされたらしく、「大好きな中トロ鉄火がもう食べられないのが残念でならない。」と言っておられました。私自身、K様に対して何もしていないのに、逆に嬉しい言葉とプレゼントまでいただき感動です。他愛もない会話や、ただただ心配で声を掛けたことで、お客様が喜んでくださり、逆に感動をいただけるなんて幸せです。これこそ≪仕事の励み≫です。
因みにどうしてプレゼントが「柏餅」かと言うと、以前飲みに行こうと誘われた時に、私は酒が飲めないという事と、甘いものが好きという事を伝えたからです。
2014.12.9