vol.1121 「岡部のおばあちゃん」

vol.1121 岡部のおばあちゃん~My理念を考えてみよう
八丁櫓 森永 孝之

今日は敬老の日です。それにちなんだ花一輪を。
般若姫時代からの常連様の岡部のおばあちゃん。今年で93歳。可愛いおばあちゃんです。
私が八丁櫓に来た4年前、毎週土曜日の夕方に「晴ちゃん、晴ちゃん」と近藤君の働く姿を嬉しそうに見つめるお婆ちゃんがいらっしゃいました。玄関まで手押し車で来られ、そこからは近藤君が手を引いてお席までご案内していました。ずーっと同じ時間に同じ席。変わらず刺身とちらしと茶碗蒸しとあさりのお汁。
近藤君がさざん亭に転勤になり、娘さんがさざん亭に連れて行ったけど、「あそこにおる晴ちゃんはわからんかった。店も制服も違うしね。」と寂しそうな感じでした。
月日を重ねるうちに、耳が遠くなり、目が見えにくくなり、日常の事がわかり難くなった今でも、土曜日になると「待ってくれとってじゃから…」と八丁櫓に行くと聞かないそうです。うどんの某店に連れて行くと、「こがにおいしゅうない所に連れて来て!」とはぶてられるそうです。
「ここに来て美味し物を食べる事が出来るうちが…。来れなくなったらおしまいじゃね。あと何回来れるかねぇ。」が毎回出る口癖です。ここで食事をとりながら、従業員のみんなと話をする事が一週間で一番嬉しい時だとおっしゃって下さいます。土曜日の17時過ぎ、ピーク入りかけの忙しい時ですが、10分程お店はみんなに任せお婆ちゃんの話し相手になることが、毎週土曜日の今の仕事です。
昨日の右肩上がり通信に、『経営理念は何のために存在するのかを明文化したもの。そしてMy理念を考えてみましょう。』とありました。“私たちがフジマで働く上での理念、それぞれのお店で働く意味を考えてみるのも仕事を楽しくする一つの方法だな”と感じました。私たちが思う以上にお客様から必要とされているはずです。それがフジマで働く私たちの存在理由です。孫の自慢を聞いてあげるのも、「いつものですね。」と注文を受けるのも、こだわりの美味しい料理を作るのも・・・それぞれの人にそれぞれのMy理念。楽しく働けそうじゃないですか。
晴ちゃんからしっかり引き継いだ、おばあちゃんを席まで手をつないでお連れする役目も、私の存在理由の一つでしょうか!
2014.9.21