フジマ

STORIES Vol.066~070

Vol.066

やって良かった!やってて良かった!

のん太鮨山口店 吉村 功

それは5月11日日曜日、母の日の忙しい日の朝の事です。
突然清水店長が『お母さんに電話した?してないんなら今すぐして来んさい!』
私は今まで親に対して、[連絡しない]=[元気でやってる]という感じで、普段連絡をほとんどしたことがありませんでした。

その時は店長命令だと思い、しぶしぶながら家に電話しました。
電話の向こうの母親も何だか照れくさそうに 『ありがとう!』、
母の日には何をプレゼントしようか悩んでいましたが、母の言葉を聞いて“これだ!!”と思いつきました。

その2週間後 連休を頂いたので久々に実家(萩)に帰ることにしました。マイ包丁を持って。
そう、母の日のプレゼント、それは親に料理を作ってあげる事。
今まで作ってあげたことなんかありませんでしたが、スーパーに行って材料を買い、刺身の盛り合わせを作りました。食べた両親が『美味しい。そろそろ功の店に食べに行こうか。』と言ってくれました。

それは4年前、私がフジマに入社して初めてもらった給与明細に入っているお食事優待券を親に渡して、『食べに来てくれ!』と言うと『後、何年かしてお前がある程度一人前になったら食べに行くよ。』と言われました。

そうなんです。私がフジマに入社して4年間一度も両親は私の居る店に食べに来た事がありません。
前の会社を辞めて『料理人を目指したい!』と言った時、猛反対していた両親から出た今回の発言は、私にとってすごい驚きと感動の瞬間でした。

私は自分の選んだ道は間違っていないと再確認するとともに、これからも、もっともっと色々学び「技」を得て、それを又磨いて一人でも多くのお客様を満足させる事の出来る「料理人」に早くなりたいと思います。
きっかけを作ってくれた清水店長に感謝したいと思います。

Vol.067

お店のトイレの壁はきれいですか?

さざん亭岩国店 N.Y

アイドルタイムのある日の事、二人連れのお客様がいらっしゃいました。
一人のお客様が注文され、もう一人のお客様はお手洗いに行かれていました。

戻って来られ席に着くとすぐに『ずっと気になっていたんだけど・・・』とおっしゃったので、
“クレームかな?”と思い緊張していると、
『トイレの壁が汚い!私は美容院に勤めているけど、トイレは一番きれいにするよ。
食べ物屋なんだから気をつけた方がいいよ。』とおっしゃいました。

私はハッとしました。
いつもトイレ掃除はするけれど、壁まではきれいにしていないことに気付き、
反省するとともにお客様の言葉をありがたく思いました。
すぐにトイレに行ってみると、驚くほど壁が汚れていました。
ホールの接客は他の方にお願いし、私はトイレの壁磨きに専念することにしました。
汚れている壁がきれいになっていく様子に喜びを感じながら一生懸命磨きました。
すると、そのお客様がお帰りの際に『すぐに取り掛かったから気持ち良かったよ。ごちそうさま。』と言われ笑顔で帰られました。

この言葉を聞き嬉しくなった私は、パートの山根さんと二人で、無我夢中で壁を磨きました。
ピカピカになった壁を見て、ちょっとした事でお客様に感動していただけるこの仕事を心から誇りに思いました。これからも多くの感動をお客様に与えてさしあげたいと思います。

Vol.068

泣き笑いの営業

            ~外食産業はお客様の為に競争するのです

仕出し周南店 佐々木 良子

1ケ月前の事、お客様からの電話で精進料理の問い合わせがありました。
説明の時、営業にお伺いしたいと申し出たところ、時間指定で良かったらとの事。
私は「一刻も早く」をモットーにしていますが、ご要望の時間少し早めに出かけました。

お客様はちょうど葬儀社の方との打ち合わせ中だったので、お待ちしながら一瞬“まずいな!”と思いました。
案の定、私がパンフレットを説明しようとすると、お客様は申し訳なさそうに
『今、葬儀社さんの料理の説明を聞いて、断り難いので頼みました。』との事。
当社は夜の通夜料理のみ。安いので他社は作りたがらないのです。
その時私は「顔で笑って心で泣いて」の気持ちでしたが、気を取り直し
『よろしいですよ。よそ様も良い料理を作られておられるので、葬儀社の方に任せられたら安心ですよ。
当社も他社に負けない様に勉強しています。次回のご法事は是非ともご指名下さいませ。』
と、いっぱいの笑顔で引き上げました。溜息をつきながら・・・。

たまたま当日の配達が遅れ気味だったので、通夜料理の配達も私が受け持ちました。
通夜料理を届けて帰ろうとしていると、奥様が凛とした姿勢で
『お料理はフジマさんで頼む事にしました。』
“びっくり!うれぴー!”の一言。
私の説明はひと通りの事を言った迄ですが“感心させられました”との事。
満面の笑みどころか涙腺がゆるみそうでした。
たくさんのご注文を頂きました。
通夜料理、当日の精進料理、落し料理と3回とも料理内容を変えてお届けしたので、またまた非常に喜んで頂きました。

外食産業はお客様の為に競争するのです。
不景気のせいばかりにしておられません。
“一生懸命さがお客様に伝わるのだ”と改めて思います。
本日、四十九日法要料理のご注文を頂いたので、上記の泣き笑いの一件を思い出しました。

Vol.069

接客マニュアルには花一輪が隠れている

さざん亭モール周南店 脇本 真里子

私は9月からトレーナー養成講座を受講させていただいています。
次回のセミナーまでの宿題に「現状のトレーニングマニュアルをよく読んでくること」とあったので、マニュアルを読み直ししていたら「オーダー受けについて」の項目の中に「単品かセットかでお客様にとってお値打ちメニューの勧め方」と書いてありました。
昔からあたりまえのようにやっている事だったけれど、意識して実践してみることにしました。

あるお客様が肉うどん(600円)と天丼(950円)をご注文されました。
“天丼にも肉うどんにも汁がつくから、天丼の赤だしはきっといらないだろう”と思い
『赤出しのつかない、天丼の単品にいたしましょうか?100円お安くなりますよ!!』
と声をかけてみたところ、お客様はちょっとびっくりした顔をされた後、すごく嬉しそうな顔をされました。

お客様に喜んでいただける事をしてあげられて、なんだか私も嬉しい気持ちになりました。
そのお客様はレジで『お姉ちゃん!いい事教えてくれたからまた来るね!』と言ってお帰りになられました。
“客単価を下げてしまった・・・”と少し気にしていたけれど『また来るね!』と言っていただけた事ですごくホッとして“これが「期待値以上のおもてなし」なんだなぁ”と思いました。

トレーナー研修を受けているので、アルバイトの人達に色々なことを教えていかなくてはいけないけれど“自分で体験していないと教えることは難しいかも”と感じています。
接客マニュアルの中には花一輪がたくさん隠れていましたよ。
是非皆さんももう一度読み直してみてはいかがでしょうか。

Vol.070

クレーム処理は先手で

仕出しセンター周南店 佐々木 良子

私は店長職になって6年目になります。
その間最優秀店舗賞2回、優秀店舗賞2回と嬉しい賞も頂きました。
自分でも口うるさいと思う私に、協力的そして前向きな社員・パ-トさんのお陰と感謝しております。

毎日精一杯の仕事ができ、無事に一日が終わりますように願う私ですが、そんな日常の中、何年経っても嫌なのがクレ-ム処理です。
数年前1時間も玄関で怒られた事、暑い日ざしの中、畑の中で叱責された事が頭を過ぎります。
いずれも配達遅れが原因だったのです。
お客様と打ち解けるまでは帰れません。やっとの思いで解放され、車に乗った途端涙が溢れました。
金曜日に行なうようになった土・日に向けてのスタッフ会議はこういった反省から生まれたのです。

先日の事、運動会の弁当が届かないとのクレ-ムが2件ありました。
どちらも同じ学校のご家族への配達でした。
その日は運動会の注文が多く、配達を赤帽さんにも依頼していました。
降ろし忘れと積み残しが原因でした。
すぐ廻ってもらったのですが、すでに11時50分になっており、
もう食事は隣の方に頂いたとの報告を受けました。
年に1回の楽しい運動会、お弁当を楽しみにしていた子供さんの事を思うと大変申し訳なく “あんなに気をつけて時間通りにしても、こんな事が起きてしまうのか!”と私は大きなショックを受けながら、重い足を引きずりクレ-ム処理に向かいました。

すぐに駆けつけたのでお客様の方が恐縮され、またの注文も約束してくださいました。
先手は勝手5分前がモットー。
クレ-ムのお陰で店長・店長と声を掛けて下さるお客様も多く、これからも嫌がらず直ぐに何事も処理したいと思います。
お客様が次回に繋がりますようにが私の願いです。