感動の花一輪とは、フジマグループが取り組んでいる 『お客様に花一輪そえるサービス、花一輪運動』 のエピソード集です。>>詳しくはこちらをご覧下さい。
STORIES Vol.031~035
21世紀の日本も捨てたものではないです
さざん亭防府店 内藤 紀弘
日曜日のランチタイムのピークを過ぎ、私が厨房から仕事を終えホールに出たところ、中村英太郎、中村善之両名の姿が見えなかったので、パートさんに『二人はどこに行ったの?』と聞くと、駐車場の入り口の方へ走っていったとの事でした。
そして、20~30分後帰ってきたので、二人に『どうしたの?』と尋ねると、駐車場の縁石に、老夫婦の車が乗り上げて立ち往生していたので、車を持ち上げてきたとの事でした。
さざん亭防府店の駐車場は、隣にスーパーがある為いろいろな人が出入りします。
『二人でよく持ち上げたなぁ。』と言うと、側のソフトクリーム屋に中学生が5~6人居たので、その子達にも声をかけていっしょに持ち上げたそうです。
数日後、そのお礼にとわざわざ奥様が挨拶に来られました。
ちょうどその日は中村両名とも休みだったので私が対応しました。
その方はO様とおっしゃる方で、月に一度防府の親戚のところへ来られるそうです。
「縁石に乗り上げて大変困っていた所へ、若者二人が何とかしようと手伝って頂いて、私たちもとても感動しました。こんな世の中ですけど、このような優しい心を持った若者が居るなんて、21世紀の日本もまだまだ捨てたものではないです。」とお礼を言われ、両名にプレゼントとしてハンカチを置いていかれました。
その話を聞いて、私も大変嬉しく感動しました。
そして翌週の日曜日の夕方、O様が10名ほどでお食事に来店されました。ありがたいことです。
これこそ<花一輪>だと私は思いました。この素晴らしい心を持った中村両君に拍手を送ってあげてください。
もしかしてあの方かな?
さざん亭徳山店 S.A
<6月9日 福岡県在住のI様からのご意見はがきより>
「月に1度だけ利用しています。先月母の日に、4年以上入院している母を連れて食事をしました。予約できないとの事でしたが、電話に出た彼女が、車椅子で利用できるように席を作って下さった事に感動しました。母も喜んでくれました。そして今日、その彼女が足の悪い父に入りやすいように、笑顔で扉を開けて下さり、教育の行き届いているのには感心しました。彼女の名が今日名札を見て分かりました。Sさんです。」
嬉しいご意見はがきを頂きました。
I様は、月に1度、土・日頃にご両親と3名で来られるお客様です。いつも車椅子で来られ、感じが良いお客様なので覚えていました。
母の日の11時過ぎ、『車椅子の者がいるんですが、12時頃席の予約をお願いします。』と電話が入り、一応『狭い店なのでご予約はできないので、来られた順番に席にご案内します。』とお断りしましたが、電話を切った後“もしかしてあの方かな?”と思い、車椅子で利用でき入り口から近い11番テーブルを、12時まで来られるのを待ってみようと、席を取っておきました。
I様がお越しになるまで、幸いウェイティングも無く、『電話の声でもしかして?と思い、席を取っておきました。』と言ってご案内しました。とても喜んでくださり、私自身嬉しくなりました。
I様が来月来られた時に、はがきの御礼を言わなければと思います。私自身が仕事にやる気を引き起こされるはがきで、感謝しています。
トラブル転じて花一輪
~「当たり前のことを当たり前に」それが花一輪の基本
さざん亭岩国店 山本 貴志
3月のある忙しい日曜日、私がレジを終えてテーブルの片付けに行こうとしていた時、
『私たち40分以上待っているのに!!』と、お客様が怒った口調で言って来られました。
ご案内する順番を間違えていたのです。
『誠に申し訳ございません。』とお詫びしてすぐご案内しました。
そして、そのお客様がお帰りの際『今日はどうも申し訳ありませんでした。』と一言添えてお送りしましたが、“もう二度と来店されないかもしれない”と思っていました。
ところが1ヶ月後、そのお客様がご来店されたのです。
『この前は、どうもすいませんでした。』と言ってご案内しました。
するとそのお客様は、ご意見はがきに
「店員さん、きびきびしていて、しかもソフトですごく感じがいいです。前回、順番のことで少しのトラブルがあったのですが覚えておられました。顔を見るなり詫びて頂き、とっても暖かな気分になりました。外食ももちろんおいしくいただきました。」と書かれていました。
私は当たり前の事を当たり前にやっただけですが、私自身、今までここまでお客様に褒められた事は一度もありませんでした。書いていただいたことに対して、心がほっとした状態でした。
「当たり前のことを当たり前にやる」・・・口では簡単ですが、実際にやるというのは難しいことです。
お客様に花一輪添える為には、当たり前のことを当たり前にやる事が何より基本だということを感じた出来事でした。
好きなことでお客様にお喜びいただけるなら
~素直な心で理屈無くやってみる
さざん亭マネージャー 竹内 千恵子
今日も賑やかにランチを済まされた常連のご夫人グループが、会計の後『Hギャラリー』に集まって、熱心に話をされていました。「この前のも良かったけど、今日の此の花も、なかなかにくいねぇ。」
ニコニコ聞いている私に、「いつもみんなで話しているんですよ。座敷の所の〈がまの穂〉も素晴らしいですね!目の保養をさせて戴いています。」
それにお答えして「厨房のパート社員の力作です。」と誇らしく伝える私でした。
お客様にも、働く私達にも、お花を通して心を和ませて下さるHさんに、今日のお客様との会話を感謝の気持ちでお伝えしました。
すると「何でもないんですよ!あの花は、主人とドライブ中にチョッと道から入った所に咲いているのを見つけましてね。雨が降っていましたけど、“私を飾って!”と言ってる風に花と私の目が合ったんですよ。心底、花好きなだけですよ。」と笑顔で答えられました。
それにしても、みんなで『Hギャラリー』を楽しみにするようになって、丸1年になります。
なかなか続けられる事ではありません。
そのような話をしている時に、彼女からの、何のてらうことのない話に<素直な心で、理屈無くやってみる事>を教わったのです。
『Hギャラリー』のきっかけは、昨年社長が行動指針<花一輪>のお話をされた時の事だそうです。
「パートさんアルバイトさんも、みんなで知恵を出す事で、お客様に喜んでいただける事が何かある筈です。」このお話を聞いた時から、Hさんは自分らしくできる花一輪をこれに決めたそうです。
「好きな事でお客様に喜んでいただけるんです。ですから、何でもないことなんですよ!」常日頃、良い話を心から感心して聞いていても、なかなか実行できないでいる私は、本当に恥ずかしい想いを致しました。
Hさんのように、直接お客様との会話はなくても、心のこもった花と知恵を介して積極的にフレンドリーができる。感動して話を聞きましたので、お伝えしたいと思います。
初めての“おつかい”
のん太鮨山口店 T.H
ほぼ満席のディナータイム、ひょっこりと一人の男の子が入って来ました。
店長は、いつもそのようなお子様に対して『お一人様でご来店ですか?』などと言っているのですが、今回も既に言っていました・・・そして、実際お子様一人だったのです。
「マグロのわさび抜きとコーンをください。」とその男の子ははっきりとホールのMさんに言っていました。「H、マグロさび抜き握れ、あとエビのさび抜きと玉子も」と店長に言われたので握って持って行くと、店長はレーン越しに、仕事もそっちのけでその子としゃべっていました。『この、のん太の帽子あげるからその財布を頂戴。』とか『友達にのん太って美味しいよって宣伝しとってね。』とか・・・。
お鮨の包装も終わり、その子も帰ろうとした時に、店長がMさんに言ってソフトクリームをプレゼントしていました。回りのお客様もその様子を見ておられ、みなさんいい笑顔でその子を見送っていました。
なにか、すごくほんわかした、いい気分になりました。
そのすぐ後、車で待っていらっしゃったその子のお母さまが入って来られ、店長と間違われたYさんに向かって『どうも、すみません。ありがとうございました。』とおっしゃったので、Mさんが『店長はこちらです。』と言っていました(・・・山口店ではよくある事です)。
後日お母さんから下記のようなディズニーの絵葉書のお礼状を頂きました。
<昨日はありがとうございました。私が只今食事制限しているため、うちの子が『のん太鮨のコーンを食べたいのに。』と言うので、『じゃあ、自分で買っておいで。』ということになり、私は店に入らなかったのですが、ソフトクリームを持って店から出てきたのでビックリしました。お心づかい嬉しく思っております。本人もすごく喜んで、それがなぜか自慢に変わっておりました。また近いうちに寄らせていただきます。=追伸=ご年配の方が店長だと思ってしまって失礼しました。>
今回の事で多くの事を学びました。
日頃から対応が不安な店に子供一人では行かせないと思います。
店長も初めての“事件”だったらしく、みんなにその出来事を言って回っていました。
予想しないことが起きても、それをチャンスに変えられる知識と経験の大切さを強く感じました。