フジマ

STORIES Vol.036~040

Vol.036

これぞ営業の喜び

仕出しセンター柳井店 K.T

現在仕出し部においては“売上を確保するには仏事営業しかない”との観点から、営業全員で満中陰の料理注文獲得に全力を傾注しています。

葬儀情報を地区別に区分けして、葬儀後1週間~3週間をめどに全戸訪問をしています。
現在の世帯情勢から初回での面談は25%内外と難しい状況ですが、面談出来るまで訪問する意気込みで頑張っています。
初回不在の場合、名詞とパンフレットを置いて帰ります。後日、改めて訪問の繰り返しです。
初回訪問で不在の場合のお客様から電話でご注文を頂く事もあります。

先日、あるお客様を訪問した時のことです。
お客様はゆっくり話も聞こうとせず只、『決めた仕出屋さんがあるので・・・』と門前払いでした。
パンフも名刺も受け取って頂けず、非常に寂しい思いをしました。
ところが、2~3日して、そのお客様より事務所に電話が入りました。S様というお客様です。

S様が言われるには『先日営業に来られましたが、お断りしてパンフレットも手許に無いのでパンフレットを送って欲しい。』との事でした。
誰が訪問したのかすぐには判りませんでしたが、営業記録で私が訪問して寂しい思いをしたお客様だと判り、即座にパンフを持参しました。
S様は『先日は失礼しました。今まで利用していた仕出屋さんにお願いする予定でしたが、暑い中わざわざ来て頂き、家族の者もフジマの営業に感心して、この度はフジマさんにお願いしたらと言う事で電話しました。』との事でした。その場でご注文を頂き嬉しい一日でした。

毎月30軒位訪問していますが、新規のお客様からのご注文はごく僅かです。
しかし、今回の様な嬉しい事もあります。今後もこの様な感動が得られる様、営業を推進していきます。

Vol.037

10年過ぎても店長は、店長

              ~お客様からいっぱい花一輪をいただいたから元気になったわ

さざん亭岩国店 濱田 哲平

ある日の事、いつもどおりに竹内マネージャーが来られ、店内を見られていました。
その日は岩国祭りの日で、例年昼間は閑という事もあって、少ない人員体制で営業していましたが、雨が降り、思いの外忙しく、少し疲れ気味でした。
しかし、夕方のお客様も待ってはくれません。
『予約ができないか。』とか『今、駅に居るから席を取っておいてくれないか。』とかの電話が入り、『そんなにお待たせしません。大丈夫です。』とお伝えしてしまいました。

その内ウェイティングがかかり、料理もなかなか出ないようになってしまったところに、電話のお客様が来られ、『電話で予約している。』と言われました。
そのお客様の前に3名のお客様が待っておられたのですが、ウェイティングも混雑していたので、そのお客様を抜かして電話のお客様を入れてしまいました。
すると、待っておられたお客様が『予約はできないのじゃないのか!!』とひどい剣幕で怒られ帰ってしまわれました。
『何故、日曜日の忙しい時に予約を取るの!!』とマネ-ジャ-から叱られました。
私としては・・・少し待ってもらうようになるかもしれません・・・とお客様に伝えたつもりでしたが、お客様に予約したと思われてもしょうがない受け答えをしてしまった、私のミスでした。

その後、デシャップにつき仕事をしていると、お酒をのまれて順番待ちのお客様が、マネ-ジャ-に『15分ぐらい待てと言ったが、30分も待っとるのにええ加減な事を言うな!』と、酔った勢いもあり大声をあげ怒鳴っておられました。
私は“お座敷が空かないのにどうしろというのか”と内心腹立たしく思いましたが、マネ-ジャ-は一生懸命になって謝っていました。どうにか席にご案内ができ、店内に落ち着きが戻りました。

すると、周りのお客様がマネージャーに『大変ね。ガンバッテ!』とあちこちから声をかけて下さったらしく『今日は、お客様の方からいっぱい花一輪をいただいたから元気になったわ!』とシワだらけの笑顔でおっしゃいました。さすがマネ-ジャ-とまた思ってしまいました。

10年前、竹内マネージャーはさざん亭徳山店の店長で、私はその時の部下でした。竹内マネージャーは、10年過ぎても、私にとっては尊敬すべき素晴らしい店長です。

Vol.038

当たり前の実行⇒感動⇒実感

              ~ちょっとの事でお客様に感動を与えることができる

のん太鮨山口店 K.M

先日のディナータイム、レーンから「のん太巻」を取り損ねて落とされた、一人のおばあさんがいらっしゃいました。
そのお客様と一緒にご来店されていた方が『すみません。落ちちゃいました。』と私に言われたので、『あ~、宜しいですよ。』と答え、当たり前のごとく、落ちた「のん太巻」と皿を引きました。
その後、握り手にお願いして新しい「のん太巻」をそのおばあさんに渡しました。

その時は当たり前の事なのでなんの気にもしていませんでしたが、2日後、パートのIさんが、そのお客様と知り合いだったらしく『あれはKちゃんだったの?』と聞かれたので『そうよ。』と答えると『あの人達、凄く感動したって言っていたよ。』と言われました。
当然の事をしただけなのに、私は“なんで?”と思い尋ねると『最近の若い人が、嫌な顔ひとつせず拾ってくれた事が、相当嬉しかったんじゃあなかったのかな?』と言われました。

私は、ただ当たり前の事をしただけで感動されていたなんて、思ってもみなかったので、話を聞いた私自身も、凄く嬉しい気持ちになりました。
そして、“こんな私でも、ちょっとした事でお客様に感動を与えることができるんだなぁー”と思い、自分自身の励みになりました。

これからも、ほんの少しの気配りと行動で【花一輪】をお客様に提供できる接客をしていきたいと思います。日によって、軍艦場をやったり、ホールをやったりしていますが、それぞれ違う所でおもしろい面や大変な面があります。
でも、今回のことでお客様の大切さ、人と接する事の楽しさや嬉しさを改めて教えてもらえたような気がしました。“自分が出来る精一杯の接客で、お客様から喜ばれる事は、何よりうれしい事だなぁー”と実感しました。

Vol.039

バランに一言

              ~入選おめでとう!!byのん太鮨

のん太鮨山口店 T.A

先日、パートさんの親戚の方がお持ち帰りの鮨を注文された時の話です。
小学4年生の子供さんが描いたポスターが入選し、市役所で表彰されたので、「お祝い」で鮨を利用されるという事でした。その鮨のセットを私が握る事になりました。
自分に出来る事は無いかと考え、「バラン」にマヨネーズを使って一言≪入選おめでとう!!byのん太鮨≫と書いてみました。僕自身が勝手にやった事ですが、店長に見せると『おぉ!いいじゃん!』と言われ、そのままお客様にお渡しする事になりました。

数日後、なんとその子供さんのお父さんからファックスが届きました。
親戚のパートさんからの話によると、何かのプレゼントを貰ってもあまり喜ばない子供さんが、今回の様な事は初めてだったらしく、回りに自慢話するほど喜んだという事でした。
話を聞いた私は胸が熱くなる思いを感じました。“あぁ!!これが感動なのかなぁ”と思い、お客様と私自身が一緒に感動できた事に誇りすら感じました。

いい事はみんなで知恵を出し合うのん太鮨山口店。今回の事がきっかけで、鮨の注文の際は『お祝いのお鮨ですか?』とお客様にお尋ねし、お祝いならば、店長の描いた、用途に合わせた3種類のメッセージカードの中から1枚、蓋の上に貼るようなシステムが定着しました。(興味のある方は私に聞いてください。先駆者気取りでお教えします)

思いがけないところから「感動」は生まれ、思いがけないところから「信用」を無くします。これからも必死に一生懸命「感動」を探しまくります。

【防府市のK様からのFAX】

いつも家族みんなでおいしく頂いています。この度、子どものお祝い事で、持ち帰りの注文をさせて頂きました。家に帰り子どもがあけて、大喜び!大声で呼ぶので見てみたら“入選おめでとう”の文字が入っていました。子どもの喜ぶ顔を見て、私たちも本当に嬉しく思いました。
おかげ様でとても楽しいパーティーになりました。のん太鮨様の温かいご配慮に家族一同、心からお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

Vol.040

英太郎流「三本の矢」の悟り

              ~一人の力では何もできない

さざん亭防府店 中村 英太郎

ある日のアイドルタイム、私はお店の外回りの草抜きをしていました。
そのうち、歩道とお店の前との間の溝に草が生えていることに気づき、溝蓋を取って草を抜いていました。
その草の中に、大きなカヤのような根のしっかり生えたものがありました。
私は今まで、いろいろな草を抜いてきましたが、これほど根のしっかり生えた草は抜いたことがありませんでした。当然のことながら、私一人では草を抜くことができませんでした。

悪戦苦闘していると、お店の前にあるソフトクリーム屋さんのおばちゃんが『きれいになるねぇ~。』と私の方に様子を伺いに来られました。
そしてほとんど同時に、さざん亭でお食事を済まされた常連のお客様(おじいさん)が『抜けるかの~どうかい?』とやって来られました。
当然のことながら、私の顔は真っ赤で汗だくになっていました。
いつの間にかソフトクリーム屋さんのおばさんと常連のお客様の手が、私の持っている草に集まってきたのです。初めはお二人に手伝っていただくと、腰を痛めてしまうと思い遠慮がちでした。
でも、三人の『せーのー』と言う掛け声とともに3~4回やっている内にお二人は本気で力を入れて下さっていました。一人ではできないことも二~三人になれば凄い力になりました。
この力にはさすがの草も耐えることができませんでした。私は感動しました。

私はこのことで、“一人の力では何もできない”と心と体で感じることができました。

何気ない草抜きでしたが、私には人のありがたみがよ~くわかった貴重な体験でした。