感動の花一輪とは、フジマグループが取り組んでいる 『お客様に花一輪そえるサービス、花一輪運動』 のエピソード集です。>>詳しくはこちらをご覧下さい。
STORIES Vol.096~100
前撮り衣裳のまま
ベルゼ 弘中 智行
昨年6月、故藤麻勝昭専務の娘さん、千香子さんの紹介で、あるカップルが結婚式の申し込みに来館されました。
結婚式は3月にしたいと予約をして頂きましたが、一つ相談があると言われました。
それは前撮りを7月に行いたいということです。
前撮りとは、新郎新婦が結婚式当日の衣裳を着て、前もって写真撮影をすることです。
結婚式当日は時間に余裕がないこと、またお酒を飲んで顔が赤くなるなどの対策から、違う日にゆっくり撮影を行うのですが、時期的には結婚式の1ヶ月位前に行うのが普通です。
そのことをお二人に説明しましたが、
「わかるんですが、どうしても・・・。」と言われるので、
「わかりました。」とその時は事情も分からないまま返事をしました。
そして前撮り2~3日前に、新婦のお母様から電話があり、
「前撮りの日、すべての撮影が終わって衣裳を着たまま周南市の病院に連れて行ってもらえませんか?」
と言われ、「ん?どうしてですか?」と尋ねると、
「娘のおじいちゃんが入院しているのですが・・・。
来春までどうなるかわからないんです。だからおじいちゃんに花嫁姿を見せたいと娘が言うので・・・。」
私は“ハッ”と思い「それでこの時期に前撮りを・・・?」と聞くと、「そうなんです。」と言われました。
最初は撮った写真をすぐおじいちゃんに見てもらおうと思われていたようですが、やっぱり直接お見せしたいとの希望でした。
「そういうことだったんですか。わかりました。」とお答えをしました。
前撮り当日は、川﨑主任に事情を説明し相談したところ、快く引き受けてもらい、マイクロバスで病院まで連れて行って頂きました。
新郎新婦そしてご両親とも、
「半分諦めていたのに、本当にありがとうございます。」と大変喜んでおられました。
その結婚式が今月29日に盛大に行われる予定で、打ち合わせは大詰め段階にあります。
披露宴の中で流す新郎新婦の生い立ちVTRには、新婦とおじいちゃんの写った写真がたくさん使われています。
新婦側の親族テーブルにはおじいちゃんの写真を飾り、当日は天国よりベルゼの会場に来られ、新郎新婦の門出を見守られます。
物への感謝を忘れず
~週間クリンネスリストの力
さざん亭宇部店 中村 弘明
社長がさざん亭宇部店に臨店された時の事です。
その日社長はいつものように裏の従業員出入り口から入って来られました。
そして店に入って来て一番に言われた言葉が
「この入り口のドアどうしたん?ピカピカやから新しく買い替えたのかと思ったよ!」でした。
ビックリされ、しばらくドアの外で眺めておられたそうです。
そのドアは新品になった訳ではなく、週に一度、従業員が一生懸命磨いていることを社長に説明しました。
社長は誰かが特別に磨き上げたのかと言われましたが、そういう事実もなく普通に「週間クリンネスリスト」に入ってあるから磨いていただけの事を説明すると、感心されて、従業員一同とても鼻高々になりました。
よく考えてみると、この古いドアは私が6歳の時から、もうすぐ17年間も頑張ってもらっています
・・・感動しました。
社長に新品のように誉めてもらったこのドアは、きっとまだまだ頑張ってくれるはずです!
「もうこのドア古いからダメ。」とか、
「もうここのコンロの回り、昔から油が蓄積されて取れるわけがない。」とか、
やりもしないで言い訳はいくらでもあり、最初から諦めていたのでは何も始まらないと思います。
どんなにドアが古くても、どんなに油がこびり付いていても、週一のクリンネスで、コツコツとやっていくうちに、だんだんと汚れは落ちていくと確信しました。
この出入り口も最初は黒ずんでいて、汚れもこびり付いていて、出勤する時とてもじゃないけど気持ちよく入られるような感じではありませんでしたが、今では従業員だけでなく、業者さん達にも気持ちよく利用してもらっています。
そして今では「週間クリンネス」はホールで66項目、厨房で62項目、合計128項目ありますが、
何も言わなくてもみんな
「毎週金曜日のクリンネス締め日!」
にどんなに忙しくても全ての項目をやり遂げます。
これからも年季が入ってきている、さざん亭宇部店をみんなの力で磨き上げ、
物への感謝を忘れずに、綺麗な店作りをみんなで目指していきます!
コーヒー1杯で積極的にフレンドリー
さざん亭徳山店 粟本 純平
最近外が暖かくなっている今日この頃、私は野球を見るのが大好きです。
つい最近ではWBCで日本代表が世界一になったのは記憶に新しいところです。
今回花一輪を書こうと思ったのは山口県代表の南陽工業がベスト8を決めた日のお客様との出来事です。
選抜高校野球・南陽工業対PL学園の試合当日、ちょうど私が休憩中に試合をしていて、携帯で試合を見ていました。
休憩終わりの時点の8回、0対0でした。
休憩後にホールにでると、一組のご夫婦が入って来られました。
そして入ってくるなり「南陽工業はどうなってるかね?」とご主人に聞かれました。
私はすぐさま、厨房で仕事をしていた店長に
「試合はどうなっていますか?お客様に聞かれたので。」
と尋ねると携帯を見てくれて「延長に入って2対0で勝ってるよ。」と言われました。
私も嬉しくなり、すぐにお客様に伝えに行きました。ご主人は大変喜ばれていました。
注文を伺い、料理提供をするときに
「南陽工業が2対1で勝利しベスト8に入ったとさっきのお客様に伝えてきてあげて」
店長に言われたので、料理を持っていった際に勝った事を伝えました。
お客様もまたまた喜ばれ、それを厨房から見ていた店長が
「粟本君、そのお客様に食後にコーヒーを出してあげなさい。」とにこやかに言われました。
私はどうしてだろうと考えました。
私は思わず店長に「何て言って出しましょうか?」と聞くと
「南陽工業が勝って私も嬉しいし、お客様と話が出来て楽しかったから、お祝いとお礼を兼ねてサービスです。と言って出してみたら。」と店長が言われました。
私は、店長の言うように食後にコーヒーを出しました。
するとお客様は大変感激されて上機嫌で帰られました。
私は、後で店長になぜコーヒーを出そうと思ったのかを聞きました。
すると「お客様から話しかけられ、自分の好きな野球のことで話が盛り上がって、お客様は気分も良いだろうし、もっとお客様と近くなるには、今度は自分から積極的に話をすればお客様はもっともっと気分は高まるじゃろ。その為にコーヒーを出して、お客様の店に対する印象と粟本君に対する印象を強く残してもらい、そうしたらまた店に来てくれるんじゃないかなって・・・。とにかく、積極的にフレンドリーだよ!」
と言われました。
今回は私から、積極的にフレンドリーではないのですが、このことを忘れず次回チャンスがあれば積極的にお客様に接客していこうと思いました。
私はもう入社2年目に入ります。すぐに新入社員が入ってくる時期です。
この入社して1年間は、ものすごく早く感じ、いろいろな事を勉強させてもらいました。
こんな私でも、先輩です。店長の様にはいきませんが、これからは、後輩の手本となれるようもっともっと色んな事を勉強、吸収し、楽しく・喜んで仕事をしていきたいと思います。
これこそ仕事の喜び
さざん亭宇部店 河越 武男
先日、社長宛に御客様のI様から丁寧で達筆なお礼のお手紙を頂きましたので、その時の様子を話します。
その日は日曜日の夕方で、ピークも早くから始まりすぐに満席になりました。
そして珍しくウエイティングの山となり、提供時間も最初は15分以内をなんとかキープしていましたが、長いピーク時間にみんなの疲れも見え始め、次第に遅れ遅れになり、とうとう30分にまでなってしまいました。
その日は偶然にも有吉マネージャーが臨店されていましたが、マネージャーもデシャップを担当していた中村に、時計を見ながら「急ごうや!」と激を飛ばされていました。
しかし、もうすでにお客様のほとんどがお怒りモードに突入していました。
私は少しでも提供時間を短縮しようと厨房にヘルプに入りましたが、
マネージャーはすぐに「店長、前!」と言われ、
私は遅れている料理を運んではお客様に謝り、
そしてまだ料理が出てないテーブルに謝りに回り、また厨房にヘルプに入りました。
しかしまたまたマネージャーが「店長、前!」と私をまたホールに呼びました。
すると料理を間違えて組んだクレームが発生しており私は処理に走りました。
その時のお客様がI様でした。
今思えば、厨房に入った私をマネージャーが何度もホールに呼んだ理由が解ります。
この度のI様からの大変ありがたいお言葉には感激しました。
そしてクレームやミスの対応の仕方次第で、反対にお客様に大きな感動を与えることが出来ることを再確認しました。これこそ仕事の喜び、「歓働」です。
【お手紙全文】
謹啓 桜香る候ますますご繁栄のことと心よりお慶び申し上げます
さてこの度、貴社宇部店に家族そろって夕食にと三月二十九日夜にお伺いしましたところ、春休みの休日とあって多くのお客様がおられました。名前をボードに書いたものの三十分以上待つことになりました。
席に案内されて料理が出てくるのも三十分位かかりました。従業員の皆さまをはじめ店長様も皆さんお忙しいと思い、大変な仕事だと思うと共にその一生懸命が待っている間感じられました。本来ならばお店にある葉書でと思いましたが店長様の暖かい心遣いが強く感じられこのお手紙とさせていただきました。
葉書には書ききれないと思うこともあります。と申しますのも待ったあげくの料理で定食ものだったのですが、付いている品が違うものだったとのことであり当方も気付かずに手をつけてしまいました。すぐに店長様が定食に付いている正規の品を持ってこられましたが、すでに私も食べているところでしたので「よろしいですよ」と申しましたが、店長様が「こちらが間違いましたのでお食べ下さい」と申されまして恐縮しております。また隣の席のお客にも料理を出すのが遅くなったとのことで頭を下げておられました。
このような店長様をお持ちの貴社は本当に心届く人々の会社であると思いました。是非これからも社員皆様への教育と共に、宇部店の店長様によろしくお伝えくださいませ。
また帰りの際には貴店のポイントカードも作成いたしましたが、その時にも子どものおもちゃ券に付いてプレゼントが女の子用しか残っていなかったことから、わざわざ店長様が別の品を用意されまして子どもも喜んでおりました。本当にありがとうございました。
また食事に行きたいと思っております。終わりに貴社をはじめ宇部店のますますのご繁栄を心よりお祈り申し上げましてお礼とさせていただきます。 謹言
平成二十一年三月三十日 いちお客より 御社長様
災害にあって気づいたこと
さざん亭防府店 山田 忠伸
7月21日、大雨による大災害が防府で起こりました。
停電に断水、山は崩れ、川は大きく氾濫、道路には濁流が押し寄せ、全ての地下施設や低地は浸水し、土石流・鉄砲水は人や車・トンネルや住宅を飲み込み、恐ろしい世界が目の前に広がっていました。
さざん亭防府店の窓からは自衛隊のヘリコプターの臨時基地が見え、制服を着た隊員さんが、まるで戦争の真ん中にいるように、必死に、そして命がけで作業をされていました。
私も含めスタッフ一同も命の危険を凄く感じて営業をしていました。
そんな中、私達は物凄い勇気をいただきました。
それはお客様からの心配の電話や応援の電話でした。本当に沢山のお電話をいただきました。
そして夜になり、危険な中を夜のスタッフ達も一人も欠けることなく働きに来てくれました。
私はあまりの有難さに感謝で涙が溢れました。
さざん亭を心配してくださる沢山のお客様や、大変な状況にもかかわらず当たり前のように出勤してくれるスタッフ達。地域から支えられるお店、凄く貴重な体感と感動をしました。
防府右田地区や国道262号線は、復旧するまでしばらく時間がかかりますが、どんな逆境も押し返す気持ちで、地域の方とともに、スタッフ一丸となって繁盛店を作っていきます!
なるぞ!地域一番店!