フジマ

STORIES Vol.046~050

Vol.046

マニュアルにも方程式にも無い行動

のん太鮨山口店 K.M

5月4日、ゴールデンウィークのランチタイムの事です。その日は朝から雨と風がひどい日でした。

握り場にいた店長が私に『K!あの子に傘をあげんさい。』と言われました。
見ると高校生らしき女の子が店の軒下で雨をしのいでいました。
私はためらうことなく傘を手に持ち、びしょびしょになった女の子に話し掛けました。
『これ、傘あげるから使って。』すると女の子は『ありがとうございます。来る時風で傘が折れちゃって、もぅ~どうしようかと思っていた所でした。』と、びっしょりになった顔で私に言いました。
その子はゆめタウンまで行くらしく『本当に有難うございました!!』と笑顔でのん太鮨の傘をさして、雨の中自転車をこいで去って行きました。

その姿を見送る時、私は“いい事してあげたなぁ~。”と思い、その子以上の笑顔になれました。
本当に些細な事ですが、あの女の子の笑顔やありがとうの一言が、私は本当に嬉しく思えました。
マニュアルにも無い、方程式も無い今回の行動で、知らない人にもこちらから進んで行動すれば、何にも代えがたい晴れ晴れした気持ちになれる事を、店長の一言で勉強になり教えて貰いました。

私は今、のん太鮨山口店のホールリーダーという立場を店長に任されています。
新しく入った人を教えたり、その日その日の変更事項など隅々まで伝えるのは大変な部分もありますが、今回の事で仕事の面も含めて大きく“視野”が広がった気がします。

良い事をすると本当に気持ちがいいですネ!!

Vol.047

常連のお客様の情報

のん太鮨下松店 濵中 一恵

のん太鮨下松店には、のん太鮨をこよなく愛し、オープンからのベテランホール嬢Sさんがいらっしゃいます。

土、日のお持ち帰りの包装を任せたら天下一!!ドンドン出来上がる寿司を、スピーディーかつ正確に包んでいきます。しかし、包装が得意なSさんにも、一つだけ苦手なものがあります。
それは、注文を受け、それを伝票に書くことです。平日等のゆったりした時ならバッチリなのですが、土、日のピーク時に予約を受けると、ついつい気が焦り、文字が雑になってしまいます。
握り手から注意を受け、辛い思いをしたこともありました。

ある日、ご予約を受けていたお客様に確認の電話を入れないといけない事が起こりました。
しかし、ご自宅に電話しても留守のようで連絡がつかず、予約時間も差し迫ってきました。みんなオロオロしていました。

そんな時、すかさず、丁寧な字で書かれたノートを出したのが、Sさんでした。
ノートには、そのお客様の携帯電話の番号が書かれてありました。
Sさんは常連のお客様の情報を細かくメモしていたのです。これにはみんな驚きました。

後で聞いてみると、そのノートは、仕事中にメモしたことを、家で清書したものでした。Sさんのように、人の見ていない所でも頑張れる人になりたいと思いました。

Vol.048

汗をかきコツコツやれば何でも出来る

              ~現状打破への歩み・第9弾

さざん亭宇部店 K.M

3月のある日、社長が臨店された時でした。
駐車場を見られて『この駐車場は白線がほとんど無いじゃん!』『どねーかせいや!』とおっしゃいました。
すると店長は『業者に頼んだらかなり費用がかかるので、自分達で出来るように考えてみます!』と安請け合いをして簡単に社長に言っていました。私は“本当に出来るんだろうか・・・?”と不安でした。

それから数日後、店長はホームセンターでライン引き専用の塗料とローラーとマスキングテープを購入して来て、私に『よし!明日やるから作業服を持ってきーや!』と言ってやる気満々でした。

そして翌日のアイドルタイムに店長と、昼間というのに見るからに怪しい格好をした「謎の作業員・M」が、駐車場のライン引きをしました。
薄く消えかかっているラインを頼りに、ぎこちない手付きで、マスキングテープで枠をとり、店長はローラーで、私は凸凹のアスファルトの隙間をちょこまかちょこまか、ハケで埋めて行きました。
途中、千葉マリンスタジアムもびっくりの強風が吹くわ、手はペンキだらけになるわ、腰は痛くなるわで大変でしたが、なんとか、2日間で作業は終了しました。

駐車場は見違えるように姿を変え、出来栄えもプロのようにはいきませんが、私達には充分満足のいくものでした。社長からも『プロがやったって言ってもわからんよの~』という評価も頂きました。
これでお客様も車を止めやすいでしょうし、真新しい駐車場になり、私も気が引き締まる思いです。
その日以来、お客様の車が綺麗に並んで駐車されています。

今回の事で、“本当に素人で出来るものか”と私はかなり不安でしたが、”汗をかきコツコツやれば何でも出来る!!”という事を確信しました。

ご要望があれば、皆さんの店に昼食付きで出張サービスにお伺いします。

【追伸】費用は全部でなんと!9,380円だったそうです。

Vol.049

ガストに負けてたまるか!

              ~物事を明るく捉えましょう

さざん亭柳井店 T.Y

5月27日、いよいよ、さざん亭柳井店の隣にガストがOPENしました。

誰もが暇になるだろうと思っていました。私もそう思っていました。
ところが、ガストは営業時間を徐々に長くする開店戦略を取り、その日は17時からのOPENでした。
おかげで昼間はいつもながら忙しい営業でした。
さて、夜はどうだろうと不安と興味本位でガストを見に行くと、どんどんお客様が入っていました。
“これでは夜は暇だろうな。”と思っていました。
ところが、さざん亭にも、満席とまではいきませんが、結構お客様がご来店されました。

冗談で店長に『ガストが多いから、こっちにおこぼれが来たんですね。』と言ってしまいました。
後で考えると、お客様は神様のはずなのに、とても軽率だったと反省していますが・・・。
その言葉が聞こえたのでしょう。
厨房で働いている普段は無口なパートのK.Sさんが『おこぼれなんかじゃない!!いやならさざん亭には来ないわよ!!』と怒ったようにおっしゃいました。
“そうだ!!”とみんな感心しました。反面、私はとても恥ずかしい思いをしました。
“この5年間、私はお客様のどこを見ていたんだろう?さざん亭はお客様に無くてはならないお店なんだ!パートさんを始め従業員の皆さんはさざん亭で働いていることに誇りを持っているんだ!”Kさんの言葉で“負けてたまるか!”と根性が出てきました。

5月29日の朝礼で【職場の教養】を輪読していて、今の私には痛感するものがありました。
物事は常にプラス思考で明るく考えていくべきです。
これから、ガストだけではなく、マックやジョイフルそしてジョリーパスタと次々にOPENしていきますが、「負けてたまるか!」の精神で、料理、接客を今以上に向上すべく、みんなで協力していきます。
今回は本当にKさんに感謝しています。

【5月29日職場の教養】
会社の先行きに頭を悩ましていた社長のS氏は、出席した講演会で「不況のせいにする企業は負け犬になる」という話を聞きました。
その話に感銘を受けた彼は、社員たちと話し合い「不況」という言葉を「自分たちの努力が足りない」と置き換えて話すことに決めました。すると不思議なことに新しい販売ルートが開拓され、徐々に業績がアップし始めたのです。
『「自分たちの努力が足りない」と口に出したら、じゃあもっと営業努力をしなければという気持ちになります。言霊と言いますが、本当に言葉は力を持っているのですね。』とS氏は語ります。
物の見方は十人十色ですが、不況不況と嘆いてみたところで、福の神が舞い降りてくるわけではありません。ならば常に元気で前向きに、明るい未来を信じて突き進もうではありませんか。

今日の心がけ【物事を明るく捉えましょう】

Vol.050

一輪挿しの百合のお話

さざん亭マネージャー 竹内 千恵子

めんつる亭当時の出来事です。
朝から一輪挿しの百合がどうも上手く活けられない。
花の元気も良くない上に、花の重みで、ちょっとの振動にも下を向いてしまいます。
どうにかほんのちょっとの角度の具合で、客席を向いて咲いている感じに活けられました。

そんな所へ、トイレの方角からお客様の機嫌の悪そうな顔がこちらに向かって来られました。
『トイレのタオルが無くなっているぞ!』めんつる亭は巻きタオルを使っていました。
先刻見た時に“巻タオルは後30分位で終わりだな“と思い、そろそろ点検に行こうかと思った矢先でした。
と同時に、数日前にたまたま同じお客様で同じ状態になっていたことを思い出し、さすがに緊張してしまいました。
心から恐縮し、心からお詫びをしましたが『前の回も反省した風に見えたが、口先だけだろう。』
2、3回は店に来て下さった事のあるお客様ですが、何しろ声が大きかったのと、いつにない私の緊張した顔色に、賑わっていた客席がしんとなりました。
注意して下さったお客様も、何やら、ばつが悪い顔で『気をつけなさいよ!』と声が少し小さくなりました。

私も心の中では半ベソの状態。でも折角忠告して下さったお客様に、この場で恥をかかせるようでは申し分けないので、“何とかいつもの雰囲気に”と思った途端目についた百合の花。
一輪挿しにそっと手を触れ『済みません。花も一緒に謝ってくれています・・・』
皆が見ている中、百合の花がぽとんと頭を垂れてくれました。

最初はびっくりした顔のお客様、苦笑いしながら『その花に免じて、今回は許してやろう。』店内は大笑いになり、社員一同ほっとして、いつもの活気のある店に戻りました。

以後、そのお客様、店の御意見番として一番の常連客となって下さいました。