vol.1144 「担当者のない仕事」

vol.1144 「担当者のない仕事~感謝の気持ちを忘れずに」
八丁櫓 森永 孝之

3月18日の「職場の教養」にゴミ袋を自主的に交換する『Sさん』の話がありました。

八丁櫓でもペットボトル、缶、瓶など多くの種類のゴミが毎日のように出てきます。その中でも90ℓのゴミ袋一杯になった瓶はかなりの重さがあります。従業員の休憩室に行く通路の脇に、それぞれ分別用のゴミ箱を置いています。みんなその横を通るのですが、“ゴミ箱一杯だな”と素通りする人もいれば、あふれ出ている事にすら目に入らない人もいます。私自身も店を閉め休憩室に寄って帰るのですが、いつも“一杯だな”で終わらせて帰宅していました。

しかし次の朝には綺麗に片付け、きちんと新しいゴミ袋が掛かっています。朝から綺麗になったゴミ箱を見るのは気持ちの良いものです。しかしながら、私がやってなければ、他の従業員の誰かがやってくれているのです。しかも、清清しく、忙しい朝に…

出勤して直ぐゴミ箱から手を付けなければならない人の気持ちを考えた事があったでしょうか?自分が携わっていない仕事は常に誰かがやってくれているのです。多くの方の手を必要としてお店を運営しているのに、ついつい一人でやっているような気持ちになりがちです。

日常の全てが『当たり前』になり、『感謝』する気持ちが薄れているんですよね。毎朝朝礼で『感謝の気持ちを忘れずに!』と唱和していますが、実際は口だけで行動が伴ってなかったわけです。 店舗の中外を見渡すと、役割分担のない仕事も数多くあります。そこに目を向け、行動に移せる従業員が何人いるか?本来ならみんなが『Sさん』でなければならないのです。

朝礼での社是、経営理念、花一輪、7アクト、職場の教養にはみんなが『Sさん』になり得るヒントが詰まっています。惰性で行うのではなく、今日も元気に朝礼に参加できている事に感謝の気持ちで臨めば、“ストン”と『Sさん』になれるヒントが素直に中に入ってくるんじゃないですかね。

2015.04.27