vol.1073 「姉さん事件です!」

vol.1073 「姉さん事件です!」 2011.08.30
のん太鮨防府店 寺田 雄太
 お盆の繁盛期が終わった頃のランチタイムの出来事です。お盆明けという事もあり、まだ店内は忙しく賑わっていました。そんな中、ボックス席に親子三世代でお食事をされているお客様がいらっしゃいました。
 いつも通りの有線のBGMに、お客様の会話、スタッフのやり取りの会話。私は鮨を握りながら子供が元気いっぱいに走り回る音が聞こえていましたが、次の瞬間お母さんが「血が出てるー!」と叫ぶ声が聞こえてきました。
 反射的に振り向くと、お母さんに抱かれている子供さんの頭部から血が出ており、床にまで垂れていました。はっきりと原因は分かりませんが、はしゃいでいてどこかで頭を打たれたようです。とっさに“ヤバイ”と感じ、握り場から急いでお客様の所に行き、“取りあえず止血しなければ”と綺麗なタオルを渡し、すぐに救急車を手配し、無事搬送されて行きました。その後お客様からお店に「お盆で防府にある実家に帰省中で、無事自宅(名古屋)に到着しました。ありがとうございました」とご連絡がありほっとしました。
 日々営業の中でも、お客様の不注意でお汁をこぼしたり、スプーンを落としたり、お子様の手や口を拭くおしぼりを探されていたり、『今』お客様が何を必要とされているのかを察知し、お客様に呼ばれてするのではなく、自ら気付き行動していくことが『お客様の期待値以上のおもてなし』に繋がるのではないかと改めて感じました。