vol.1057 「『和の湯』にて」

vol.1057 「『和の湯』にて」 2010.11.30
 さざん亭徳山店 粟本 純平
 私は入社して3年目になります。接客をしていて、私にも自分の名前や顔を覚えて下さるお客様も少しづつですが増えてきました。その中でも一番お話をしてくださるお客様は『西巻様』というご夫婦で来られるお客様です。食べられるメニューも大体決まっていて、かに雑炊・寿司生そば御膳・天ぷらの盛り合わせをよく食べられます。私の中で一番印象に残っている話を書きたいと思います。
 あれは忙しいお盆が終わって最初の公休日、私は防府にある『和の湯』という温泉に疲れを癒しに行きました。脱衣場で一人のお爺さんが私の方を見て不思議な顔をしていました。私も“どこかで見た事があるような・・・”と感じましたが、思い出せなかったのでそのままにしました。
 しばらく温泉に浸かっていると、そのお爺さんが「君はひょっとしてさざん亭の人だろう?」と話しかけてこられました。私はその瞬間にN様ということを思い出しました。その場は軽く挨拶程度の話をして帰りましたが、“世の中狭いなー”と思っていました。
 次の週末にN様が食事に来店されました。私がご案内していつものように注文された後、石田店長とN様が話をされていました。パントリー戻るなり店長に「N様に温泉で出会ったんだって?びっくりしたよ。食後にソフトクリームをお出してあげてね。」と言われました。周りのパートさんにもその話が広まったらしくみんなびっくりしていて、これも積極的に話をする事ができたからだなと思いました。
 ソフトクリームを出した時、N様は大変喜ばれました。N様は「あの時はびっくりしたよ。こんな事もあるんだね。君は防府に住んでるんだ?」と聞かれたので、「私もびっくりしましたよ。防府に住んでいて徳山店に通勤しているんですよ。」と話をさせていただきました。
 あれから2~3ヶ月経っていますが、今でも徳山店の常連のお客様として来店されています。積極的に話をさせてもらったお陰で、店以外でも私の顔を覚えてもらっていて大変嬉しく思いました。これからも接客をするにあたって【積極的にフレンドリー】に行動していきます。