vol.1026 「今日は母の命日なんです」

vol.1026 「今日は母の命日なんです」 2009.11.2
 さざん亭モール周南店 岡本 裕子
 ある日の21時過ぎ、めがねをかけたおばさんが店に入って来られました。このお客様は3ヶ月から半月に1回くらいいつもこの時間に来られる方です。料理を頼み、ビールを飲みながら、たたずんでいるような、何か考え事をされているようでした。勝手な想像ですが、お父さんと喧嘩して憂さ晴らしに1人で飲みにきたのかな?と遠くから眺めながらそう思いました。私はパソコンで打つものがあったので事務所に行きました。
 しばらくしてホールへ戻ると、その方がちょうどお帰りになるところでした。
「ここの人は若い人ばかりね。」と話しかけられたので「私こうみえて意外に歳とってますよ(笑)」「うふふ。そうなの?お昼の人も若い人ばかりなの?」と聞かれたので「はい、私より少し年上のお姉様方がたくさんおられます。」というと笑われていました。そのお客様が「今日はこんな遅くに来てごめんね。実は今日亡くなった母の命日なんです。母とよくここに食べに来てたから来たくなっちゃって・・・。」と言われました。「そうなんですかぁ。お母さんもきっと側におられたと思いますよ。」と言うと目をうるませて「ンもう!じゃあ、また来るわね。」と言って帰られました。
 私はこのとき“お客様はそれぞれいろんな思いをもって店に来てくださるんだなぁ”とつくづく思いました。お友達と久しぶりに会ってワイワイ会話を楽しむ人、デートでさざん亭に来たカップル、母の命日に思い出に浸りたくて来る人・・・何も花一輪はできませんでしたがいろんなことを考えさせられました。それぞれのシーンにあわせてお客様に感動を与えられるような接客員になりたいです。