カテゴリー別アーカイブ: VOL.1041~1050

vol.1050 「『自分やる表』の威力」~やれば出来るじゃん!

vol.1050 「『自分やる表』の威力」 2010.10.31
 さざん亭徳山店 中村 英太郎
 久々の投稿となりました。さざん亭徳山店の中村です。今回は『自分やる表』テーマ『食後のコーヒーをお勧めする』の取り組みを紹介させていただきます。
 9月度も売上はなかなか伸びなかったのですが、『自分やる表』でホール従業員の意識改革ができ、7月度に比べ1日平均ホットコーヒー・アイスコーヒー・ミニぜんざいが6杯増え、9月度は1日平均47杯の出数、金額にすると119,805円の売上を作ることが出来ました。初めはみんな上手く食後の飲み物やデザートを取れず四苦八苦し、アフターの伝票もチラホラと寂しい状況でした。しかし店舗で『自分やる表』のテーマで食後のコーヒーをお勧めの徹底を決めてからは、店長を始め従業員一同奮起し、少しずつではありますが日ごとに注文も増えていきました。
 ここで徳山店各々のアフターの獲得気合度をご紹介します。
 
 粟本純平君:絶対に苦手とする1対1対応。でも気合と首に付いたぜい肉を“プルプル”と震わせながら汗もかきつつ必死にセールストーク
 竹重祐子さん:チョー“オットリ”そして万遍の笑顔お客様を虜に。
 三間なつみさん:誰よりも明るく丁寧な接客。お褒めの言葉も沢山。
 武居初恵さん:親切丁寧な接客。何時も笑顔でお客様の立場で接客。そしてお客様を安心させトークに入る。
 渡辺真里さん:元気一番。笑顔。ファンも沢山。
 小嶋智恵子さん:誰よりも元気元気!そして明るくセールストーク。
 今回の取り組みは各人一人一人の成果であり、結果として店舗の売上に繋がりました。今現在、日々厳しい現状は続いていますが、店舗一丸となり貢献できるよう頑張ります。因みに10月も売上目標には足りては居ないのですが、コーヒーなどの出数は9月度を超えております。またアフター合戦の結果は後日の花一輪にて紹介させていたただきます。

vol.1049 「副店長のお祝い」

vol.1049 「副店長のお祝い」 2010.10.15
 のん太鮨パセーラ店 正田 道輝
 土曜日にいつもお見えになるI様が、珍しく日曜日の昼にご来店されました。その日はアイドルタイムもバタバタして、いつもは私の近くのカウンター席に座られるのですが、少し離れた席に座られました。私はオーダーが落ち着いてからI様ご夫婦にご挨拶に行きました。
 I様は3年前に母の日の企画で行かれた旅行の話をしてから親しくしていただき、私にとっても大切なお客様です。今日は二人の息子さんの誕生日祝いをされた帰りの様子で「せっかくこっちまで出てきたから、ちょっと正田さんの顔を見に寄ったんよ。」と声を掛けていただきました。飲むのがお好きなご夫婦なので、お酒の肴をオーダーに応じて作っていました。
 うなぎや恵方巻のイベントがあるときにはいつも買っていただいており、“副店長になったことを報告しなければならない”と常々思っていたのですが、なかなか言えず、いつ切り出そうか悩んでいました。私の後ろで一品を作っておられた山根店長が、それを察せられたのか、「8月から正田君が副店長に昇格したんです。」と切り出してくれました。「そうなの。良かった。おめでとう。」とお言葉をいただきました。しばらくして一品のオーダーをいただいたので、裏に下がって作っていました。料理も出来上がり表に出たら旦那さんの姿が見えませんでした。奥さんに聞くと「ちょっとトイレに行ったんよ。」と言われました。
 なかなか帰って来られないので、「かなり飲まれておられましたが大丈夫ですかね?」と心配しているとやっと帰って来られました。「正田さん!これお祝い!」と言われ、一升瓶の木枠に入ったお酒をいただきました。わざわざ『そごう』の地下まで買いに行かれたのでした。「次は店長になるように頑張って!影ながら応援しているから。」という激励もいただきました。お客様からお祝いをいただいたのは初めての事ですし、自分の事をこのように応援してくれているお客様がいるという事に感激も一入でした。
 皆さんの周りにもファンのお客様がいると思います。その人たちがいるから仕事の励みになるし、お客様を満足させるために普段の営業・接客にも力が入ると思います。
 花一輪をいつも心にとめてこれからも仕事に励んでいきます。

vol.1048 「新たな決意」

vol.1048 「新たな決意」 2010.10.13
 のん太鮨防府店 吉村 功
 8月からのん太鮨山口店から防府店へ着任しました。6年前まで働いていた防府店ですが、久々の転勤ということもあり、緊張や不安も抱えながらでした。
 7月下旬に清水MGから「防府店の藤井君を1ヶ月間さざん亭の徳山店で研修させてもらうから・・・」と突然言われました。防府店の状況も分からないので「はぁ~」ぐらいな返答でした。いざ異動してみると社員1名の欠員は大きく“なんでこんな忙しい時期に研修なんか行かせるんや!”と言う気持ちにもなり、精神的にも肉体的にもきつい日々が続きました。今思えば他の社員の八方さんや寺田君にもご迷惑をおかけしたと感じています。
 9月に入り藤井君が復帰し、以前よりさっぱりとした表情が印象的でした。そして社長から頂いた彼の研修報告書を読んで、“しんどい日々は続いたが研修に行かせて良かった”と感じました。
 ・1ヶ月という短い期間ではあったが大変勉強になった
 ・朝礼に統一感があり、気持ちの切り替えをみんなが積極的に行なっていた
 ・石田店長、中村副長始めみなさんの返事が爽快で気持ちのいいものであった
 ・研修を通して自分の中に漠然とあった「目標」がはっきりと定まった
 ・その前に防府店に帰って自分の立場でしなくてはいけない事をしっかりやっていく
 ・研修させていただいた事に社長・鶴崎部長・有吉MGなどみなさんに感謝している
などと今後の行動を約束してくれる文章が並んでおり、私自身も素直に嬉しかったです。
 その中に…「まず、最優先で考えているのは8月より防府店へ来られた吉村店長をサポートしたい。店のみんなと店長とのパイプ役としてみんなをまとめ活気のある防府店を継続したい。」という文章がありました。これは疲れも飛ぶほど嬉しかったです。
研修後も約束通り元気に頑張ってくれています。みんなで盛り上がりお客様にも従業員にも楽しんでもらえる店をこれからも育んで参ります。
 研修でお世話になった有吉MG、石田店長、中村副長、徳山店のみなさんありがとうございました。

vol.1047 『感動の花一輪ベストセレクション』のお礼状~いつもお世話になっている方々からいただきました

vol.1047 『感動の花一輪ベストセレクション』のお礼状 2010.09.27
 【西京銀行代表取締役会長 渡邊 孝夫 様】
 先日、お客様から「~感動の花一輪~という小冊子を送付します。社員が喜んでくれた事が一番の幸せです。」という添え書きといっしょに一冊の本が送られてきた。この会社は画一的なマニュアルサービスではなく、そのときその場において、一人一人のお客様にどうしたら喜んでいただけるか、個々のスタッフが判断してフレンドリーなおもてなしをすることを実践されていて、このおもてなしを「お客様に花一輪そえるサービス」、略して「花一輪」運動と呼んでいる。
 今回、お客様から喜ばれた「花一輪」運動が1000話となり、その中から社員さんの投票により100話が選出され発刊された。拝読して感じるのは目線が顧客にいっていること、喜んでいただくために勇気を出して行動していること、画一的なサービスにとらわれず融通を利かしていること等である。
 これらは従業員さんの仕事に対しての使命感、お客様に対しての思いやり・優しさ・気配り、「花一輪」運動の主旨が良く理解されていることが必要である。読んでいて目頭が熱くなるような感動を覚える話でも、ごく「当たり前の事」を「当たり前にしている」ように読んで感じるのは、組織そのものがそのような風土になっているからではないだろうか。素晴らしいことと思う。
 【元柳井高等学校 校長 竹本 芳朗 様】
 このたびは、貴重な御本「感動の花一輪」をお送りいただき誠にありがとうございました。心温まるお話や社員の皆様の生き生きとした奮闘ぶりが手に取るように伝わってまいりました。何らかしら人としての温かさと清涼感を味合わせていただき、感謝申し上げます。特に、最後のさざん亭防府店の山田忠伸氏によります「災害にあって気づいたこと」は、短文ではありますが涙が出るほど感動いたしました。
 
 防府の自宅から車で5分の所にあり、時々利用させていただいているお店でもありますので、昨年の災害による周囲の大変な情景が昨日のように思い出されます。社員の皆様は本当に御苦労をされ、数ヶ月間は営業もままならなかったのではないかと思いますにつけ、そうした厳しい環境のもとで、人の温かさに触れながら一丸となって頑張っていらっしゃったのだなあと本当に感動いたしました。この御本を出版されたことで社長さんのもので社員の皆様の結びつきが一層強まったのではないかと感じております。

vol.1046 『感動の花一輪ベストセレクション』のお礼状~懐かしい方々からもいただきました

vol.1046 『感動の花一輪ベストセレクション』のお礼状 2010.09.27
【元ベルゼ I様】
 感動の花一輪の本が今日届き、そのまま一気に読ませて頂き、とても懐かしく感動する心、感謝する心、今一度振り返ってみたくなりました。又、たくさんの経験をさせて頂けた事本当にありがとうございました。
【元社員 Y様】
 先日は「感動の花一輪」を送って頂きまして、有難うございました。私は、貴社で9年お世話になりました。そして、退社して4年になりますが、花一輪の百編に選ばれた事、そして、わざわざ送って頂けるお心遣いに感動しました。
 本を拝見して、当時が懐かしく、楽しかった事、接客の難しさで悩んだ事、従業員の皆様の家庭的な優しさ等々、思い出し胸が熱くなりました。本当にお世話になりました。又、山口に帰省しましたら、お店に寄らせて頂きます。
                      
【社団法人倫理研究所 法人局普及事業部部長 内田 文朗 様】
 『感動の花一輪』拝読させて頂きました。お客様のクレーム対応、失敗談、正直な本音等々正に感動の花一輪で「働きの本質」に触れたようなさわやかさを感じました。加えて私自身、客観的に振り返り「客」の立場で、ワガママだったのではと考えさせられました。梅雨の中さわやか花一輪でした。
【社長同級生 A様】
 いっちゃん(昔みたいに呼ばせていただいてよろしいでしょうか!)ありがとうございました。昨日サッカーを見ながら少し読み、今日通勤電車で読み、夜、風呂に入りながら読んだら、ついつい時間が経つのを忘れのぼせてしまいました。
 本当に本に載っているような社員ばかりでしたら素晴らしいと思います。実際に御社の社員の方に接していなければ、そんな風に邪推したでしょうが、たまたま今年のGWオヤジの法事で帰省した際、法要の後の食事がフジマのお弁当でした。そのとき家まで配達してくれた社員の方の応対振りを見た者とすれば、「花一輪」に書いてある事、書いている方々は“なるほどな”と感じ入ってしまいます。「フジマ」の看板を背負って、その看板を汚さないようお仕事をされているのを感じました。
 素晴らしい社員の方々に恵まれて、いっちゃん幸せですね。益々のご発展、祈念しております。

vol.1045 「二人で花一輪」

vol.1045 「二人で花一輪」 2010.09.07
 さざん亭柳井店 岡本 裕子 & 宮地 加奈子
【ご意見ハガキより】
 お盆での集まりに食事をと思い貴店に行くことになりましたが、全員が集合できず、私一人だけ先に行って待つことになりました。山口からの家族がおくれてなかなか全員集合できませんでしたが、係りの方にとても親切に対応して頂き本当にありがたく思いました。お蔭様でお盆の楽しい会食が出来ました。感謝しています。宮地さんと岡本さんによろしくお伝えください。 光市 I様
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 8月14日(土)、開店とほぼ同時に一人のおばさまがいらっしゃいました。「7人なのですが、座敷がいいのですが?」と宮地さんに言われました。宮地さんは「テーブルでしたら8名掛けが作れるので一緒に座れますが、どうでしょうか?」と勧めると「じゃあテーブルにします。まだ連れが来てないのでこちらで待ちます。次の方通していいですよ。」と笑顔でおっしゃいました。それがI様でした。
 すぐに満席になりました。I様に「お客様、広い席が空いたらご案内しますので、次の方通してもよろしいですか?」と聞くと「いいですよ。どうぞ。」と笑顔でおっしゃいました。どんどんお待ちのお客様が増える中、待っているお客様にメニューを渡したり注文を取ったりしていると、宮地さんがI様に「なかなかお席が空かなくてすみません。」と笑顔で話しかけていました。「もう少しで来ると思うんだけどね。」と楽しそうにしゃべっておられました。宮地さんナイスフォローです!
 なかなか8人掛けの席が空かなかったので、私もいろんなパターンを考えてI様に「お席が空いております。別々の席になりますが、どうでしょうか?」「座敷が隣同士で2席空いていますが、どうされますか?」などその時の状況で妥協策を勧めました。その度に「ありがとうございます。もう少し待ってみます。」と笑顔で言われました。 20分~30分時間が経った頃、お連れ様が来られ、やっと席にお通しすることができました。
 会計の時「今日はお待たせしてすみませんでしたね。」と言うと「いえいえ、いいですよ。今日は忙しいですものね」とおっしゃって笑顔で帰られました。お待たせしてしまったのでその笑顔を見てほっとしました。
 よくある日常のことですがお客様に喜んでいただき嬉しかったです。一人ではなく宮地さんと二人でお客様に声をかけ合ったのが喜ばれたのだと思います。 ご意見はがきを見たとき宮地さんと二人で喜びました。「二人で書かれたのがうれしいね!」と宮地さんに言うと「はい。お盆忙しかったけどこのハガキに癒されました。」と嬉しそうでした。宮地さんはよほど嬉しかったのか、そのご意見はがきをコピーして名札の裏に入れています。良かったね。宮地さん!

vol.1044 「パセーラ店お昼の顔」

vol.1044 「パセーラ店お昼の顔」 2010.08.10
 のん太鮨パセーラ店 加藤 亮太
 今回紹介するのは以前『自分やる表MVP』を受賞した経歴もある『スーパー妊婦さん』ことN村さんです。
 9月に出産を控えた大きなお腹で、ホールをスピーディに動き回る行動力は思わず見とれてしまうほど。さっきレジにいたかと思えば、お次はBOXバッシング、と思いきや、すでにご案内・・・そんなN村さんの力が発揮されているのはホールだけではありません。店にあるPOPの多くはN村さんの手によるものです。日々のおすすめメニューに始まり、レーンに回っているPOP、店内に掲示してある一品メニュー等、ホールでのスピーディさが表れたかのような、しなやかで美しい字がパセーラ店を彩っています。
 またデジタル化の現代において、店長を始めパセーラ店社員たちは「パソコン=睡魔と闘う事」と思っているアナログ人間の集まりであるため、パソコンを使ったデザインも担当してくれています。清水マネージャー(MG)からの依頼を、毎回期待以上の仕上がりでこなします。まさに匠です。
 先日の依頼は『イングリッシュメニュー(改訂版)』でした。以前から英語メニューはあったのですが、中国人のお客様をおもてなしするためにも中国語表記のメニューも作ることになり、早速N村さんに依頼しました。
 MG「ちょっと頼みが(あるんじゃけど)・・・」
 N村さん「(だいぶ喰い気味に)今度は何です?」
のやりとりはパセーラ店の恒例行事。もはやMGの顔を見ただけで臨戦態勢のN村さん。『次に会うまでには任務を遂行する』がモットーなのか、家事の合間に作業していたそうです(後日談)
 進化したメニューは一品やドリンクなど寿司以外にも、海外の方に好まれやすい商品が多く紹介されており(全て英語&中国語の翻訳つき)、『ほわっとらぁいく?』とか『どぅゆぅおーだぁ?』のような変な異文化コミュニケーションの際に大活躍してくれています。N村さんのように、スタッフみんなが協力してくれているからこそ、パセーラ店では『期待値以上のおもてなし』に努めることができるのです。
 いつもパワー全開!輝く笑顔のN村さん。この度の出産を機に、残念なことですが退職されることになりました。あまりご無理をせず赤ちゃんとそして旦那さんとこれからも元気いっぱいで過ごしてください。赤ちゃんが大きくなったら一緒に遊びに来てくれるのを楽しみにしていますね。
 ありがとうございました。

vol.1043 「企業風土の素晴らしさ」

vol.l1043 「企業風土の素晴らしさ」 2010.07.27
 株式会社みうら 取締役会長 三浦 義孝 様
 「感動の花一輪ベストセレクション100」の話題が2ヶ月位前の「山口経済レポート」という情報誌に紹介されていました。
 1ヶ月前位の日曜日、孫の誕生日祝いのハガキがさざん亭から届いたというので、さざん亭徳山店に行きました。店内は客が多く、名前を書くと、5組位待たなければなりません。カウンターのところにあるスポーツ新聞でも見ておこうと立ち上ると、そこに「感動の花一輪ベストセレクション100」という冊子が5~6冊置かれていました。
 山口経済レポートに記事が出ていたあの冊子だと思って、1冊手にとってパラパラとめくると面白そうなのです。社員さん1人が原稿用紙2~3枚分位の字数で書かれた1頁づつ、あるいは2頁にわたって載っています。面白そうな表題をめくって読むうちに5つ6つ読んでいたら、席に案内の名前を呼ばれました。食事がすんでお金を払うとき、「この本は1冊頂けるのはありませんか?」と尋ねたら、「これは店頭用ですからおわけできないのですが、どうもすみません」と丁重に謝られました。「いやぁ、構いません。また今度いつか柳井の方に行ったとき、本社に立ち寄らせて頂いて藤麻会長に貰いますから。」と私も丁重にお詫びしました。
 翌日、柳井の藤麻会長から突然電話がありました。「三浦君、昨日はうちの徳山店に来てもらったとのことだが、有難うね。ところで、『感動の花一輪』は自宅に送らせてもらうからね。」いやぁ、びっくりしました。レジの人に私の名前は名乗ったわけではないのですが、そういえば2~3年前、同店に行ったとき、ちょうど店廻りで同店に来ておられた藤麻会長とバッタリ会ったとき、私が藤麻さんと親しそうに話していたのをそばにいて見ておられたのか、あるいは店頭にある受付名簿に書いた私の名前から本社に連絡されたのか、いずれにせよ、クイックレスレスポンスというか、あざやかな対応されたものと、同社の報連相の見事さに唯唯敬服しました。
 次の日曜日にこの1冊全部読みました。いやぁ、面白かったの、何のって。笑いあり、涙あり、感動ありの100の話からなる実話集です。ちなみにフジマグループは正社員は120~130名ですが、パートさんを含めると全社5百数十名の会社だそうですが、サービス業であるが故の圧倒的にパートさんの多い会社の中で、これだけの長さ、これだけの内容のある文章が10年間で1000話も出てくるという、パートさんを含めて社員レベルが高いというか、企業風土がすばらしいと、感心した次第です。
 1冊を読み進むうちに100話の中から「私のベストセレクション10」を作ろうと思い立ち、私の感動した頁に印をつけていきました。終わってみると15位に印をつけていました。
 
 「スポーツ新聞」さざん亭三次店 三吉めぐみさん
 「コーヒー1杯で積極的にフレンドリー」さざん亭徳山店 粟本純平さん
 この他に「一輪挿しの百合の話」や料理を40分待たされたといって料理があと3歩で届くという位置で、すくっと立ち上り、「もう二度と来るものか」と言って帰られたお客さんの「もう店に行くつもりないから」など、泣き笑いの話のつまった、フジマの企業風土の話は如何だったでしょうか。
 こういう企業風土があって藤麻さんが手紙の最後に「感謝」と書かれる意味がわかって、これ迄藤麻さんにあやかって単純に「感謝」と、私も手紙の最後に書かせてもらってきたのが恥ずかしくなってきましたが、そういう藤麻会長の感謝の思いがわかった上で、それに一歩でも近づくようにと思いながら、引続き使わせてもらおうと思います。
 ちなみに私は徳山青年会議所に在籍中、柳井青年会議所におられた藤麻さんと知りあい、以来、今日迄30数年、「オーイ三浦君、柳井に来たときはいつでも寄れよ」と声をかけて頂きてきましたし、一方、私は藤麻さんの長男の現社長一三さんに、青年会議所の先輩として「オーイ、藤麻君」と親しく声をかけています。

vol.1042 「売ることがこんなに難しいなんて」

vol.1042 「売ることがこんなに難しいなんて」 2010.07.09
 さざん亭徳山店 田中 孝英
 「皆さん、今年も鰻の季節になりました。たくさん売ってください。」
 石田店長の言葉によって始まった鰻の販売。私がいくつの予約をとることができるか試される時がきました。大手スーパー等が我先にと注文をとっていくため、勝負の鍵は何といっても予約時期の早さとより多くの人に声をかける積極性であると私は考えます。そこで私はありとあらゆる知人に声をかけました。
 中でも一番印象に残っているのは学生時代にお世話になった先生への販売です。その恩師である先生は、現在学長になっており、面会するのにも秘書を通さなければなりません。学長室の前に立つとなぜか足が震え、冷や汗がでてきました。そして部屋に入ると「おう、どうした?まだ卒業して3ヶ月なのに、もう相談か?」と迎えられました。
 緊張のあまり私は単刀直入に「せ、せ、せ、先生うなぎを買ってください!」と言いました。すると「入り口の前に突っ立って営業する奴がおるかバカタレ。君はどこかの訪問販売者か!」と言われました。「あっ、すみません。」と謝罪し自分のいる位置にようやく気づきました。そして椅子に座り「先生お願いがあるんですけど、土用丑の日の鰻を買ってもらえませんか?7月22日から26日の間であれば5個以上頼むと配達できます。」と声をかけました。すると「バカタレ。5個も食えるか。」と一蹴。
 そのとき自分自身の営業能力の無さにようやく気がつき、このまま交渉決裂かと思いきや、意外な一言が返ってきました。「まあ、3個くらいなら買おうかな。その代わり忙しいから届けに来てよ。時間帯は26日の18時くらいで代金は先に払っておくから。」そのとき、私は後先のことを考えず「ありがとうございます!」と交渉を成立させてしまいました。
 帰る途中に「そう言えば18時って店が忙しくなる時間だ。そんな時間に配達なんかできるはずが無い。」とふと思い、代金を返却しに行きました。時はすでに遅く、先生は会議で出かけられており、秘書の方に「すみません。鰻の販売をしたのですが自分の都合が合わず、予定の時間に配達できないため代金はお返しします。」と謝罪をしました。そして「商品を売ることがこんなに難しいことなのか…」と落ち込んでいると、突然粟本さんから「秘書の方がもう一度田中君と連絡が取りたいそうだから、すぐに電話してください!」との連絡がありました。
 電話をかけると先生の帰り道が、ちょうどさざん亭徳山店を通るので、帰りにうなぎを取りに来店するとのことでした。私はその時「自分の説明が不十分にもかかわらず商品を買っていただいた」という感謝の気持ちでいっぱいでした。
 その後、ある日のアイドルタイム中に、床のワックス取りをしていたとき、中村副長の「フジマは接客、調理、清掃、管理、営業とか幅広いことが身につくからやめられないんだな~。」という一言が『土用丑の日、鰻の販売』を通して一部ですがわかってきた気がします。